最近、「バナナが絶滅するかもしれない」というニュースを耳にしたことがあるかもしれません。 しかし、正確に表現すると「現在、世界中で主として流通している”キャベンディッシュ”種のバナナが絶滅する可能性がある」ということです。 バナナは全世界で1,000種以上が存在すると言われています。生食用で流通しているのは”キャベンディッシュ”ですが、加熱用としては東南アジアの各エリアで独自の種が流通しています。 アメリカやヨーロッパでバナナを食べても同じ味なのは、この”キャベンディッシュ”が主として流通しているからです。 バナナは市場寡占状態で、チキータ、デルモンテ、ドールの3社でバナナ輸出入の世界シェア70%以上を占めています。ちなみに、日本に入ってくるバナナの90%以上が上記3社のものです。 パナマ病は、Fusarium oxysporumという真菌(カビの仲間)がバナナに引き起こす病気です。 土から感染して道管(根から水を吸い上げて、葉の先まで水分を運ぶ管)を詰まらせることで植物を枯死させます。現在、効果的な農薬は存在しないため、一旦土壌が汚染されると、最低でも10年以上その土地でバナナを育てることはできません。症状が出るまでに数か月かかることもあるので、農園丸ごと汚染されてしまうこともある恐ろしい病気です。 |