掲載日: 2017年3月24日 18:55
3月24日、千葉県と宮城県で「高病原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)」の患畜が確認されたため、飼育されている鶏全てが殺処分されました。 この型は、中国と韓国で流行しているものと同型のため、渡り鳥などの野鳥によるウイルスの媒介が疑われます。
ただ、千葉県と宮城県という地理的に離れた場所で同時に感染が確認されたということは、既にウイルスは日本国内に入り込んでいると考えられます。次は、千葉と宮城以外で養鶏が盛んな、新潟や茨城などでの感染が予想されます。 感染が確認された鶏及び卵は当然出荷できないので、これから鶏肉や卵の価格上昇するリスクがあります。
チキンショック ブラジルでは、安全基準を満たしていない食肉が輸出されていることが明らかになりました。鶏肉の輸出量世界一のブラジルで発覚した事件なので、影響は世界中に及ぶのではないかと懸念されています。
参照:厚生労働省 ブラジルでの食肉の不正事件について
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掲載日: 2016年7月13日 16:09
HIV/AIDS・結核・マラリアの3つが世界三大感染症です。
結核やマラリアは過去の病気と思われているかもしれませんが、衛生状況の悪い新興国やマラリア蔓延エリアでは患者数も多く、重要な問題になっています。 インドでは、手に入りにくい患者のサンプルも(三大感染症の患者全てがいるため)比較的容易に手に入るため、国際的な製薬会社の研究員が大学や研究所などで新薬などを開発していました。私が以前勤めていた会社でも、結核の迅速診断法の開発をインドの企業と開発していました。結核菌を培養する培養法では、結果が出るまでに最低でも4週間かかります。一方で遺伝子検査などの迅速法ではコストがかかり過ぎます。安価で迅速な検査法の開発が課題です。 マラリア・HIVにも同様の課題があります。
先日、会社員時代からお世話になっていたマーケティングの師匠が、久しぶりに時間ができたということで近況報告会を開催されたので参加してきました。 雑誌や内閣府などのイベントでご存じの方もいるかと思いますが、Malaria No more Japanという日本で唯一のマラリアに関する国際NPO法人で専務理事をしている水野達男さんです。 ほぼ10年ぶりにお会いしましたが、以前よりも元気で生き生きしていたのが印象的でした。 |
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掲載日: 2015年12月25日 18:50
東京都感染症情報センターのデータを見ると、今年はインフルエンザ流行が始まるのが遅くなりそうですね。
参照: 東京都感染症情報センター インフルエンザの流行状況(2015-2016 東京都)
さて、ワクチンの話題も今回が最終回です。 化血研(化学及血清療法研究所)は国から承認を得た方法以外で血液製剤を製造し、それを組織的に隠ぺいしていました。 化血研はワクチン製造も行っています。 そちらはきちんとした製造方法で作られているのでしょうか?
1993年に接種が中止された三種混合ワクチン(通称MMR/麻疹(Measles)・おたふくかぜ(Mumps)・風疹(Rubella))の薬害を知っていますか? 阪大微研(阪大微生物研究会)が製造したMMRワクチンによって、死者3名・重篤な障害4名・無菌性髄膜炎1,000名以上が発生しました。
参照:厚生労働省 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート |
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掲載日: 2015年12月11日 18:35
 今しばらくワクチンの話にお付き合いくださいませ。
基本に立ち返ってみましょう。 そもそも「ワクチン」って何なのでしょう? 大修館明鏡国語辞典第二版によれば、「感染症の予防に用いられる抗原の総称。伝染性疾患の病原微生物から製するもので、生ワクチン・不活化ワクチン・トキソイドなどがある」と記載されています。 前回も少し触れましたが、ワクチンの種類は大きく分けて3種類あります。
無毒/弱毒化によって人体に影響が出ないようにされた、生ワクチン。 メリットは、製造が比較的簡単なことと、1回の接種で免疫反応を得やすいことです。 デメリットは、副反応(発熱・発疹・痛みなど)が大きいことです。 極めて稀ではありますが、予防目的で接種したワクチンによってその感染症を発症してしまうことがあります。
化学処理や放射線/紫外線などで処理(一度殺す)した、不活化ワクチン。 メリットは、副反応が小さいこと、ワクチン接種で感染しないことです デメリットは、免疫反応が得にくいので複数回の接種が必要であること。 中には、アジュバントと呼ばれる免疫増強剤が入っているワクチンがあります。 このアジュバントによって免疫反応が増強されるため、せっかく副反応が小さいことがメリットであるのに甚大な副反応被害も報告されています。 |
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掲載日: 2015年12月4日 16:53
 インフルエンザ流行のシーズンになったので、そろそろワクチンの話でもしようかと思っていたところ、タイミングがいいのか悪いのか? 化血研の不正が話題となっています。 その2かその3くらいで少し触れますが、新聞やワイドショーなどで詳しく報道されていますので、皆さまの方が詳しいかもしれませんね。
さて、ワクチンといえば何を想像しますでしょうか? やはり注射でしょうか? 実は、接種する方法は大きく分けて3つあります。
1、注射による接種 体内に入れる方法によって、さらに3つに分かれます。 1)皮下注射 皮下組織に接種、接種部位は主に上腕
2)筋肉注射 筋肉組織に接種、接種部位は主に肩や尻 3)経皮注射(スタンプ) 皮膚に接種、接種部位は上腕 日本ではBCG(結核に対するワクチン)に適用されています。
2、経口接種 飲むタイプのワクチンで、日本国内ではロタウイルスワクチンのみ承認されています。
3、経鼻接種 日本では未承認ですが、新型のインフルエンザワクチンがあります。日本国内でも2~3年以内には承認される見込みです
医学界の常識として、生ワクチンは皮下注射・不活化ワクチンは筋肉注射が適しています。 不活化ワクチンは、生ワクチンに比べて免疫応答が引き起こされ難い性質がありますので、免疫応答をより強く起こさせるには、筋肉注射が適しています。 |
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