最新の研究では、脳の健康寿命は100歳以上であることがわかってきました。 ではなぜ、年齢を重ねていくと老化すると思われているのでしょうか? 脳の老化について、重要なポイントの一つは物忘れです。それには、脳の特徴が大きく関係していました。 記憶を定着させるには、情報を入力するよりも出力するほうがはるかに効果が高いことがわかっています。ですから試験勉強などでも、公式や年号などを一生懸命ノートなどに書き込んで覚えた記憶のある方が多いと思います。 今までは、ひたすら反復して入力することで脳に記憶が定着すると考えられていましたが、「こんなに出力するなら、記憶した方が効率的だから覚えよう」と脳が入力された情報を選んで判断していることがわかってきました。このことから、参考書などを読んで覚える勉強法よりも、問題集などを解く勉強法のほうが記憶に定着しやすいということがいえます。 つまり、物忘れというのは、出力する頻度の少ない情報(脳があまり必要ないと判断した情報)を消去してしまうという作用の結果なのです。ですから、よく使う情報や必要な情報、大切な情報は忘れないのです。子どもでも物忘れをする場合があるのは、こういった脳の働きがあるからだと言われています。私もそうでしたが、脳が多少障害されたり、認知症になったりしても、強力に定着している記憶はなかなか消去されません。 |